書籍レビュー 嫌われる勇気
アウトライン...
この記事を書く目的...自分がこの本を読んで感じたことを記したい。記した上で、この時感じたことを忘れないために記事にする。アドラー的にいうと「いま、ここ」。
序...本の簡単な内容の説明、なぜこの本を読むにあたったのか。
本...自分がこの本を通して何を感じたのか。
結...この本を読んで、自分は何をすべきなのか。
では、本題にはいりましょう。
この本に出会ったのはこの記事を執筆する一週間前。
代官山のTSUTAYAで見かけ手に取った。
この時、ちょうどランチを終えて暇してたので、ふらふら見ていたら見つけた。
数日前にツィッターでこの本の存在を知っていた上、
釈然としない人生に良いアドバイスが書いてあればいいなという思いで買った。
本の内容としては、人生に思い悩む青年と、哲人の対話形式で話が進んでいき、アドラー心理学を元に人生の生き方を説いていく。
この本は、今まで読んできた本のなかでもインパクト大きかった。人生に生きづらさを感じるのか、非常に刺さるものだったからだ。
書き出すときりがないので3つほど書く。
一つは、「劣等感はただの思い込みである」という考え。
劣等感とは自分のダメなところを自分で貶めることである。
しかし、アドラー心理学では、劣等感を持ちたいという目的があって、自分を正当化しているに過ぎないとする。
例えば、容姿のことでいじめられた経験があるから、容姿がコンプレックスになり、女性経験がない。というのが一般的な考え方だ。
対して、アドラー心理学は「女性経験のない自分」を正当化する為に、「容姿でいじめられた」経験をひもづけ劣等感を生み出す。経験があってモテモテだったらいくら不細工でいじめられていても、劣等感は生じないという考えだ。
勇気が必要だとしている。先の例で言えば、女性に告白しまくって女性経験を積めばコンプレックスはなくなるのだ。
これも分かっちゃいるけど、、、、と思ってしまう。これまでうまく行かないから難しいと思ってしまうから。これは3つの「いま、ここ」に関わってくるので後述する。
二つ目は、課題の分離。アドラーは「人の悩みは全て対人関係にある」として、その解決には課題の分離が有効だとした。これは、課題には、自分と他者の課題があり、他者の課題には介入せず、自分の課題に集中するというもの。課題の分け方は結果が誰に向かうのか、という点である。
例えば、「死にたい」と連呼してくる恋人がいる。「死ぬんじゃない!生きるんだ!」等という言葉をかけると恋人は喜んだ。しかし、恋人はその後も何かある度に「死ぬ」と口にするようになった。「課題の分離」においては大失敗しているケースだ。なぜなら、「死ぬ」結果を受けるのは恋人なので、「死にたい」課題の解決者は本人なのだ。
他者と自分の課題が分けられないと、子供の課題に干渉する、「モンスターペアレント」や、自分の課題を他者に押し付け、他者からの承認で自分の課題を解決し、欲求を満たす「メンヘラ」が生まれる。
課題の分離に必要なこととして、「承認欲求」を捨てることが挙げられる。人間は誰かの承認によって自分の存在を認知できる。人からの承認があるから、人間は社会を形成できる。ただ、承認欲求のせいで他人と自分を比較したり、他人を妬んだり恨んだりするなど弊害も起きてしまう。
アドラー心理学は他者からの承認欲求を真っ向から否定する。他者からの承認を幸福とする捉え方は、幸せにはなれない。自分の課題を克服することが大事だ。
なかなか難しいものがある。人からの評価で自分の地位や収入は決まっていくものだし、人の評価を気にしないで生きていくのは難しい。。。気がする。
3つ目は、「いま、ここ」論。人生とは一本の線ではなくて、点の集合体なのだという考え。「俺の人生これから」「今は我慢のとき」なんてものは存在しない。今この一瞬一瞬が人生で、過去や未来には連続性はない。
一つ目で書いた「コンプレックス」はここで否定される。
最近Twitterで「100日後に死ぬワニ」がブームだが、あれもいつ死ぬか分からないのだから、この瞬間を全力で生きるべきというメッセージだと言える。
「いま、ここ」を生きるのはどうすべきなのだろう。「共同体意識」の「他者貢献」が重要なのだという。「共同体意識」とは、全ての人、モノは対等で仲間であるという考えかた。そこで「他者貢献」に注力すれば人生を全力で生きることができる。人が一番幸福を感じる瞬間は、人を幸せにすることなのだ。
これも、身に染みて分かる考えだ。今この瞬間死んでもいいとは微塵にも思えない。だからこそ後悔のない生き方をしなきゃなぁと思う。自分のため、ではなくて誰かの為であれば必死で色んなことを頑張れる。親を楽にしてあげたい、病気で苦しんでいる人を救いたい。そういう気持ち一つで人は努力できる。
総じて、この本はとても素晴らしい事が書いてあり、実践出来ればいい人生が送れると思う。実践が出来れば。
本のなかでもあるが、この考えを実行にうつすには、最低でも今まで生きてきた人生の半分の年月が必要だとしている。(24歳だったら12年)
現実的にやっていけることはなんだろうか。
少し考えみよう。
一つは自分のありのままを受け入れてくれるコミュニティを複数作ること。「いま、ここ」を生きるには「共同体意識」は必要だと思う。自分がここなら、やっていけそうと感じるコミュニティを探すか、作るか。心地よさを感じるには「他者貢献」が必要。自分に何が出来るかを考える。
二つ目は、自分の課題を「出来る」ことを自分のペースで増やしていくこと。自分が課題に思っていること、やってみたいことを全部メモに書いてみる。そこから実現可能なレベルまでおとしこむ。
売れる本はやっぱり理由があるんだなと思わされた一冊でした。
もう一度読み返します。